鬼才、再び
早朝、指示された集合時間の30分も前にはもう待ち合わせ場所のホテルのロビーに降りて来ました。
若松孝二監督です。
昨年の当映画祭で「キャタピラー」上映とともに様々な伝説を残した鬼才は、
また新潟で撮影するからと話し、その際見学を希望したところ
きちんと約束を覚えて声をかけて下さいました。
ロケ地へ直接伺う旨をお伝えしましたが、
若松組の配慮で一緒に朝からロケバスに同乗させていただくことに。
朝8時新潟市のホテルを出発。
プロデューサーの方に尋ねたら前日の新潟市でのロケが本作のクランクイン。
新潟での撮影がやはり冬のシーンが撮りたいため、そして今日は海沿いを中心に撮影。
まず辿り着いたのは柏崎のすぐ目の前が日本海という小さな駅。
天候は時折、雪がちらつき何より猛烈な強風が吹き、
目前の波が高くうねり押し寄せてる海の姿はまさに“冬の日本海”。
ここで俳優さんがホームで待ち、到着した電車に乗るというシーン。
今回の若松組は俳優さん、ラインプロデューサー、撮影監督、照明監督。
皆、「キャタピラー」に引き続いての参加。
そして助手が二人にアシスタントという少数精鋭にメイキング担当者と出版社の方が同行。
助手の1人は韓国からの映画留学生で「若松監督の側にいたいから」と
若松組にいる喜びがひしひしとこちらに伝わってくる方でした。
中にまだ3歳くらいの可愛い女の子も。
この子は「キャタピラー」の現場ではまだ赤ん坊だったハズで監督を和ませていましたが、
今回は大きくなったぶんはしゃいで、
時間が空いた時は若松監督は笑顔であやして目に入れても痛くないほどの可愛がりようでした。
駅に着くと監督はテキパキとスタッフに指示を与え、
電車が来るまでの時間は撮影隊は実景撮りのために様々な角度から撮影。
何よりもこの日は強い風が吹き、突き刺すような寒さだったものの
これが登場人物の心象風景と重なるのか、時折降る雪がキャメラに収まればなお狙い通りと。
駅舎の中で待機中、ここは若松監督作「十七歳の風景」でも重要なシーンとして撮影された場所。
しかしいかにもひなびた田舎の小さな駅舎だった当時に比べて随分と真新しく改装されていましたが、中越沖地震で被災したために建て直したことを知ると感慨深そうに壁をトントンと叩いていました。
ここでのシーンについて
「繋いでみるとこうだったんだなって思うよ。俺の頭の中にある」
やがて電車が到着し緊張する一発撮りは無事に成功。
若松監督は終始目を光らせていました。
相変わらず強風の中、次に向かった場所は、、、、
余談ですが若松監督のお弟子さんの白石和彌監督の長編デビュー作
「ロストパラダイス・イン・トーキョー」はシネ・ウインドでは本日20時30分がラストです。
この日、若松監督の現場にいた主要スタッフが固めて後押しをしています。
公式サイト http://lostparadise.seesaa.net/
“私、夢を語っちゃうのは二流だと思う。一流は行動で示すよ”
2011.02.11 | Trackback(0) | 当会の活動報告
