鳳鳴 中国の記憶

“あの苦難を生きたからこそ真実の歴史を記録する責任がある”
9時間を超える「鉄西区」に続く王兵監督がまたも山形国際ドキュメンタリー映画祭グランプリを受賞した新作。
今度は「鉄西区」に比べれば3分の一、それでも3時間の長編ドキュメンタリー。
とはいえ和鳳鳴というおばあちゃんが半生をソファーに座って延々と固定カメラの前で独白するもの。
夫ともに地方の新聞記者だった彼女は夫が書いた記事が原因で右派という濡れ衣のレッテルを貼られて以後、強制収容所に収容、さらに文化大革命と困難の道を歩む。
過酷な労働、屈辱、迫害、飢え、そして最愛の人の死。
濡れ衣だけでは到底受け入れられない半生は3時間でさえ短いのだと思わせる。
結局、名誉回復をされたというが、ラスト近くで彼女のように右派というレッテルを貼られたほとんどの人は濡れ衣だったと明かされる。
しかし本作を目の前にした大半の方は当初は驚かれるのではないかと。
「これが映画か?これも映画か?」
しかしそんな戸惑いもいつしか彼女の語り口の最中に入り、過酷な人生に思いを馳せることになるように思います。
反右派闘争、文化大革命と二つの粛正運動の中の被害者のために彼女は今も執筆を続けています。
「私のペンを誰も止めることはできない。」
北京五輪の喧噪が静かになったころ、スクリーンと対峙する最もふさわしい映画とも思えます。
鳳鳴(フォンミン) ― 中国の記憶 2007年 中国
9月18日(木) 16:10〜 9月19日(金)10:30〜
DATA
183分/中国語
原題 鳳鳴
英題 FENGMING A Chinese Memoir
監督 王兵(ワン・ビン)
提供 山形国際ドキュメンタリー映画祭
一人の老女、和鳳鳴(ホー・フォンミン)。地方の新聞記者として働き結婚したが同じく記者である夫の執筆した記事が原因で反革命分子のレッテルを張られ、ふたりは別々の強制収容所へ送られてしまった…
1950年代以降の中国で起きた二つの粛清運動で数々の迫害を受け、1974年に名誉回復をする30年に渡って老女が語る壮大な物語。超大作「鉄西区」に続いて王兵が山形国際ドキュメンタリー映画祭大賞を受賞。
2008.08.20 | Trackback(0) | 長岡アジア映画祭

