「モノクロームの少女」撮影現場に文字通りお邪魔する。
本日、五藤利弘監督「モノクロームの少女」の撮影現場を見学に映画祭実行委員で行ってきました。
撮影場所の栃尾の昔ながらの品のいい民家に到着後、撮影機材が並んだ室内に今の時代と違う、とても神秘的で美しい女性がいました。
彼女はその後、奥の部屋で五藤監督と芦澤明子撮影監督の指導の元、入念なライティングを重ねて本番に挑んだようでした。
その時間をかけて撮影にこぎつける様子を外側から見学していてここがかなりクオリティの高い現場であることを確信しました。
その女性はとても有名なモデルさんだそうですが、その衣装を身にまとった美しい姿は謎めいたヒロインそのものでした。
常に緊張感がヒシヒシと感じられる現場で五藤利弘監督はいつもよりいくぶんピリッとした印象でしたが、やはり温厚な性格は変わることなく自分たち映画祭実行委員を見つけて柔和に微笑み、念願の企画が実現した喜びと手応えを感じてたようです。
こちらは小林茂監督からの伝言をお伝えしたところ「ありがとうございます、この前はもっとお話しをしたかった。映画祭で小林監督の新作を観たいと思ってます。」と謙虚にお礼を述べてました。
その後は次のシーンの段取りをしたものの、雨が降ってお天気のご機嫌伺いとなりましたが、現場には主演の寺島咲さん、入野自由さんが出たり入ったりする中、やはりこの日のメインは「現場者」大杉漣さん。
さすがに現場に到着しただけで完全に空気が変わった様子が手に取るようにわかりました。
空き時間に実行委員で挨拶をさせていただき、制作発表に届いたビデオレターに映画祭に触れていただいたお礼をお伝えしました。
「そんな離れてないで、もっと近づけよ」
あるがままの漣さんの姿にグッときていました。
入野さんの父親役として現場に紹介された漣さんをスタッフ一同が拍手で迎えてリハーサル開始。
田舎の親父役として息子を叱りつける姿、一挙一動に目が釘付け、こんな貴重な場面を間近で見る喜びに打ち震える思いが。
そして何度かリハーサルを重ねて、その度にアイデアを出し演技を変えて本番開始。
無事に一発OKとなりましたが、もしかしたら監督もずっと漣さんの姿を見ていたいと思っていたのか、なかなか「OK」の声が出ず、かなりの長まわしとなっていました。
あのままカットせず映画で使われるのか気になります。
しかし五藤監督がプロ中のプロである漣さんにOKを出す姿を目にしたことに本当に感慨深いものが。
というわけで漣さんが現場に入っただけで撮影は最高潮を迎えた気がしましたが、まだまだ撮影は続くようです。
ほんの半日だけでわかった気がするのもなんですが、いい映画になる筈です。
五藤監督、スタッフの皆様、ハードなスケジュールで大変だと思いますが応援しています。
あとお邪魔しましたが見学させていただきありがとうございました。
しかし差し入れのお饅頭を渡したら皆さん予想以上に喜んでいただいたのは嬉しかったです。
最後に帰り際、印象に残ったのは自ら機材の後片付けをする芦澤撮影監督のお姿。
一流の方なのに、それとも一流の方だから自分から後片付けを率先しているのかと。
そんな方が現場を引き締めているのは改めていい映画になる予感が。
画像はこの日の現場での五藤監督です。
写真から伺いできるかもしれませんが、一般的な映画監督というイメージと違う温和な人です。
しかし「モノクロームの少女」は自ら企画し脚本を書き監督するなど、信念を貫き通し協力者を得て夢を実現させた努力の人です。
昨日は加藤武さん出演シーンを撮影したそうですが、黒澤映画を観て映画を志しただけに感無量だったそうです。
「モノクロームの少女」の撮影はこちらが詳しいです。
新潟「謙信の里~とちお」栃尾商工会
2008.08.28 | Trackback(0) | 当会の活動報告
