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*S東京特派員の映画祭巡礼記。
今回は「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2011」です。
改めて「記憶のひとしずく」の畑中大輔監督、清水徹也プロデューサー、グランプリ受賞おめでとうございます。

http://www.skipcity-dcf.jp/

SKIPシティ

SKIPシティDシネマ映画祭は04年から開催されているデジタルシネマを対象とした映画祭です。
04年当時といえば、映画の撮影は当然フィルムで、メジャーな商業映画でデジタル撮影を行っているのはジョージ・ルーカスやマイケル・マンぐらいでこれからはデジタルだ、とマスコミではいわれながら実際はデジタルへの流れは遅々として進まない状況だったと思います。デジタル撮影した作品も上映のときにはフィルムに変換されていました。
そんな中でスタートしたDシネマ映画祭なのでかなり苦労があったと思います。初期の私が見た作品はそんなに多くなかったのでまちがった印象かもしれませんが、コンペの対象は作家性よりも作品性を重視していたように感じました。あからさまに個人的な作品やインディーズ作品はなく、あくまでも商業作品として公開することを目標とした作品を対象にしたという印象です。フィルム撮影が主流の中で、商業作品でフィルムではない、といったらよほど予算がない作品、予算をかけても収益が見込めないと判断された作品なのではないか?といった疑問があったりもしました。
それが数年前からかコンペ作品の印象ががらりと変わってきました。なんといってもカメラの性能が向上したせいか、いかにもビデオ撮影、といった作品はなくなり、フィルムかデジタルかすぐにはわからないほどになってきたのが大きいような気がします。たぶんデジタルでもフィルムと遜色のない作品が撮れることでデジタル撮影が一般化したのではないでしょうか?
デジタル撮影がフィルム撮影とあまり差がなくなってきた(まあ、少なくともぱっと見には)ことから今までならば当然フィルム撮影を選んだであろう作品がどんどんデジタル撮影に変わってきたーたぶんそんなことがDシネマ映画祭のコンペ作品の充実にも現れているような気がします。
映画祭上映後に公開される数が増えてきているのもDシネマが映画として一般化してきたことの現れであるように思います。去年の作品では「再生の朝に-ある裁判官の選択-」「やがて来る者へ」「フェア・ラブ」などが一般公開になっています。

それでは今回見た作品の感想です。

「ある母の復讐」脚本のエルメス・リュさん(左)とギャビン・リン監督#8207;
「ある母の復讐」脚本のエルメス・リュさん(左)とギャビン・リン監督‏

「ある母の復讐」台湾 ギャビン・リン監督
80年代の高雄を舞台にして2人の女と1人の男をめぐるメロドラマ。高雄はギャビン・リン監督の故郷で、物語の時代設定は監督が生まれたころで、妊娠しているヒロインは監督の親の世代にあたるわけで、監督の個人的な思い出が反映された作品のようです。親の世代の生き方を描くのと、そのころの人々に愛されたメロドラマの形式を取り入れたところがミソ。自分の夫を幼馴染に盗られたヒロインが離婚を迫る夫と愛人に対してある条件を突きつける。これがタイトルの「復讐」で、血なまぐさい展開や派手なアクションはありませんがかなりユニークで驚きました。元々はこの復讐方法のアイデアを思いついたらしく、最初の構想ではどうも不自然だったので共同脚本のエルメス・リュにアイデアを出してもらいいまの形になったそうです。新人の監督が多いせいかQ&Aで映画ができるまでの試行錯誤を率直に語ってくれたりするのもこの映画祭のよさだと思います。

「カラーズ・オブ・マウンテン」のカルロス・セサル・アルベラエス監督#8207;
「カラーズ・オブ・マウンテン」のカルロス・セサル・アルベラエス監督‏

「カラーズ・オブ・マウンテン」コロンビア・パナマ カルロス・セサル・アルベラ監督
左翼ゲリラの勢力下だった山間の村。今は極左民兵が進出して不穏な気配が迫ってきている。主人公はサッカー好きの少年。誕生日のプレゼントに新品のボールをもらったがそのボールは地雷原のなかに入ってしまう。父親からあきらめろと言われたがどうしてもボールを取り戻したい少年は友人たちと地雷原に…
コロンビアは50年もゲリラとの内戦が続いていて、この映画に出てくる村のように民兵からゲリラとみなされて殺されたりといった迫害から村をすて都市部に逃れる国内難民が400万人もいるそうです。そういった事情を全く理解できないこどもの視点から暴力の理不尽さを訴えた構成が見事。このおかげで国内では大きな反響をよび左右どちらの勢力からも非難はなかったのだとか。
いかにもこどもらしい聞き分けのなさとか、子役の自然な演技もすばらしかったです。

「キニアルワンダ」のプロデューサー ダレン・ディーンさん#8207;「キニアルワンダ」のプロデューサー ダレン・ディーンさん‏

「キニアルワンダ」ルワンダ・アメリカ アルリック・ブラウン監督
今までいくつかの映画でも取り上げられた90年代のルワンダでおこった虐殺を国内の加害者、被害者たちの立場から描いた映画。
監督はジャマイカ生まれでアメリカ育ち。ルワンダとは直接関係はありませんがルワンダに行き、体験者から直接聞いています。ブラウン監督は短編を撮った経験はあるものの初長編で、そのせいか映画は細かな章に分かれてそれぞれが独立して(登場人物はエピソード間を行き来しています)時制もばらばらという短編連作のようなスタイルになっています。クライマックスはイスラム教の指導者たちが虐殺を食い止めるために集まり議論を重ねるシーン。ここでの決断は感動的でした。この作品は今年の最優秀作品賞に選ばれました。

「クロッシング」のセリム・デミルデレン監督#8207;「クロッシング」のセリム・デミルデレン監督‏

「クロッシング」トルコ セリム・デミルデレン監督
主人公は会計事務所に勤める中年男。一人部屋を与えられていたがそこに若い女性の新入社員が同室になる。彼女は男は妻帯者で娘もいると聞かされ疑いもしなかったが、会社のだれも男の家族を見たものはなく、男が自宅に帰った場面では室内には男以外誰もいない…男が話す妻と娘は本当に存在するのか?
なかなか魅力的な謎で始まるストーリーで引きこまれましたし、意外な答えが待っていてラストは人生の皮肉さも味あわせてくれます。しかし孤独な男がどんな皮肉なめぐり合わせとはいえ、他人との係わりによって新たな一歩を踏み出すようすは希望がありほっとさせられます。青一色のインクで印刷したかのような極端なブルートーンの画面も魅力的でした。

「26歳、幸せの道」のビル・チウ監督#8207;「26歳、幸せの道」のビル・チウ監督‏

「26歳、幸せの道」中国 ビル・チウ監督
主人公は北京で暮らす若い女性。生まれ故郷の海南省に帰ってくる。レンガ工場を営む父親に会うためだ。彼女は父親と何日か過ごすが何か伝えたいことがあるように見えるものの何も言えずそのまま北京に帰ってしまう。その後北京で暮らす彼女のもとに父親の悲しい知らせがもたらされる。
お互いに愛情を持ちながらそれを素直に表現できない親子を通じて、もっとちゃんと愛情を表に出したほうが幸せだよと監督はこの映画を通じて伝えたかったようです。中国では父親は愛情を表に出さないのだとか。日本もどちらかというとそうだと思うので日本人が見ても共感できる映画だと思います。
ただこの主題を伝えるにはもうちょっと整理して見やすくしたほうがよかったかなとは思いました。特に前半親子の間に意思の疎通がないのはわかりますが画面上も動きがなにもなくて観客としてはひたすらがまんを強いられました。

「マドンナ」主演の鈴木萌美さんと関俊太監督#8207;「マドンナ」主演の鈴木萌美さんと関俊太監督‏

また日本国内の作品を対象とした短編のコンペもあり、全部は見れなかったのですが、若い夫婦とその女友達が集まった夕食でのやりとりが思いもよらぬ方向に進んでいく「こぼれる」(手塚悟監督)、主人公の女子高生の悩みや苦しみが伝わる「マドンナ」(関俊太監督)、どこにでもあるような住宅地の家がとんでもない冒険の舞台になる「8月8日午後4時」(ソエジマシンゴ監督)、そして長岡アジア映画祭で「くらげくん」がグランプリを取った片岡翔監督の新作「Lieland」(個性豊かな登場人物とひねりの利いたオチ)などが楽しめました。
また短編部門の最優秀作品賞は長岡アジア映画祭でも上映された「記憶のひとしずく」(畑中大輔監督)でした。畑中監督おめでとうございます!

「記憶のひとしずく」の清水徹也プロデューサー(左)と畑中大輔監督#8207;
「記憶のひとしずく」の清水徹也プロデューサー(左)と畑中大輔監督‏

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2011.10.23 | Trackback(0) | ごあいさつ

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