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Singtokシンガポール映画祭2012

S東京特派員の映画祭巡礼記。
今回は「Singtokシンガポール映画祭2012」です。
http://www.sintok.org/
S特派員、いつもありがとうございます。

無題
ウェズリー・レオン・アローズ監督(左)とシンガポール国立博物館シネマテーク・キュレーターのチャン・ウェンジュさん(右)

Singtokシンガポール映画祭2012にいってきました。
09年の第一回に続いて今回が第二回。作品数も前回が長編7本、短編集2プログラムから、長編10本、中短編集5プログラムをボリュームアップしています。今回は「881 歌え!パパイヤ」が日本で公開されているロイストン・タン監督の全長編上映という特集があり、監督と出演者のリュウ・リンリンさんもゲストで来日。他にもシンガポール国立博物館シネマテークのキュレイター、ザン・ウェンジェさん、ウェズリー・レオン監督のトークショーがあり、シンガポール映画の現状について、映画と合わせて立体的に感じられて大変よかったと思います。

シンガポールの歴史と現在の制度上での不満(特に検閲)が主題になっている映画が多いように感じました。
「881 歌え!パパイヤ」は7月に死者を迎えるゲータイの歌手が主人公でしたし、「12Lotus」は福建語の歌謡曲をバックに、ひどい父親と不実な男によって翻弄される女性歌手の人生を描くメロドラマ。「素晴らしき大世界」(ケルビン・トン監督)は40年代から70年代までシンガポールにあったアミューズメントパーク「大世界」を舞台に各年代のエピソードが綴られるオムニバス。シンガポール独立をからめたラブストーリーと日本軍侵攻の夜を描いたエピソードが忘れがたいです。
日本の占領時代を題材にしたのが短編の「シンガポール・モノガタリ」(ハフィズ・セノール監督)。祖父から聞いた話が字幕で表示される当時のスチール写真と現在のモノクロ画面で構成されたサイレント映画。「イギリス人もひどかったが日本人はもっとひどかった」と語る生々しい証言がでてきたりします(ちなみに原題もSingaporu Monogatari)。
しかし現在のシンガポール人は日本人にあまり悪いイメージはないといいます。というのも歴史教育が受験に関係ないせいもあってあまり重視されず小中で歴史の授業があるのが中2の一年間のみ。第二次大戦については1ページしかないとか。
まず65年にマレーシアから分離独立、建国50年にまだ満たない若い国であり、国土も狭いため古いものはどんどん壊して新しいものに変わっていくため、伝統が育ってない。また多民族をまとめるためかかなり規律が厳しい。こういった問題点を指摘する作品も多くありました。「インヴィジブル・シティ」(タン・ピンピン監督)はシンガポールの過去を掘り起こす人々を追ったドキュメンタリー。その中のエピソードで50年代の学生運動が取り上げられていて、「インヴィジブル・シティ」の後に上映されたクロージング作品「sandcastle」(ブー・ジュンフォン監督)ではまさにその学生運動が主人公の少年の父親が関わっていたという風に上映作品がリンクするようにプログラムされていたのもよかったと思います。

シンガポールの歴史と共にクローズアップされていると思えるのがシンガポールの現在、いたるところにある行き過ぎとも思える規制、映画にも検閲があり、表現の自由を疎外している問題があります。
ロイストン・タン監督の初長編作品「15:The Movie」を検閲で27箇所カットさせられました(今回上映されたフィルムはカットされた箇所を再度つなぎ合わせたフィルムを使用したもので、つなぎ合わせた箇所がわかる貴重なものだったそうです)。

その検閲を皮肉った「CUT」という短編コメディも上映されました(爆笑しました)。
基準がはっきりしてないのも検閲の問題点で、たとえば、ロイストン・タン監督の短編「リトルノート」は父親がなくなった後、母親が苦労して一人息子を育てて、息子が留学で母の元を離れるまでを描いた感動的なストーリーですが、これが検閲で上映禁止になりかけた。理由は「この母子は仲がよすぎる」。監督は「検閲官はわれわれより知性が豊かなのでこちらが考えもしなかったことがわかるようだ」と話してましたが、なんともひどい話です。

「青い館」(グレン・ゴーイ監督)も女性のオールヌードのシーンがあるので上映が難しかったようです。大富豪の死をめぐるミステリー仕立てのストーリーで、大家族の秘密が徐々に明らかになっていく展開が面白いし、背景としてシンガポールの抱える問題が浮きあがってくるのも興味深く見れました。

「海南、潮州と白いブラ」(ハン・ユークアン監督)はジェンダーを扱った作品。心は女性の男と、心は男なんだけど女性という二人がひょんなことで同居することに。最初はケンカばかりだったのがやがて打ち解けてきて、お互い憎からず思えてきたところに女性の元恋人が転がり込む。もう若くはないトランスジェンダーたちの恋というよりパートナーが欲しいという願望を描いた作品。切実なテーマをユーモラスに描いています。ジェンダーをテーマにした作品は深刻な内容であることも多いですが深刻な分、それを笑い飛ばすようなユーモアがある作品が多いような気がします。

「アーミー・デイズ」は徴兵制度があるシンガポールならではの軍隊を舞台にした映画ですが、徴兵訓練でやってきた新人の若者たちのお気楽軍隊ライフを描くコメディで、台湾、韓国の悲惨な徴兵もの映画ばかりを見てきたのでなんというか非常に新鮮でした。この映画だけはちょっと古くて1996年の作品。でも短編「ブランク・ラウンズ」(グリーン・ツェン監督)では部隊でのいじめで精神に変調をきたす新兵が描かれていて徴兵に対していろんな見方をさせてくれます。

プー・ジュンシュン監督スカイプで参加のブー・ジュンフォン監督

「Sandcastle」(ブー・シュンフン監督)は90年代を舞台に、まさに徴兵がせまった少年が母子家庭に育って家族関係にぎくしゃくもしている不安定なところに、幼いときにマレーシアでなくなった父の学生時代の秘密を知るというストーリーで、少年の成長と家族史が国家の歴史の流れの中で語られるという点でホウ・シャオシェンの青春ものの流れに連なるように感じました。

シンガポール映画の良作を見つつ、シンガポール映画、さらにシンガポール自体に興味が持てる映画祭になっていて大変素晴らしかったと思います。映画祭スタッフのシンガポールとシンガポールに対する愛情の成果ではないでしょうか。こういった国別の映画祭、もっと増えると面白いのではないでしょうか。

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2012.06.06 | Trackback(1) | ごあいさつ

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