プロレス界で働く人々
「週刊プロレス」を毎週読んでおり今週号は表紙の棚橋IWGP奪還よりも
70歳となったグレート小鹿が23年ぶりに古巣全日マットに登場し
曙のボディプレスを受けてフォール負けというリポートの方にグッとくるものがありましたが、
それ以上に待ちに待ったのが連載記事の「プロレス界で働く人々」
毎回、リング屋さんや音響屋さんや運転手などリングで輝くプロレスラーを陰で支える
裏方さん一人にスポットをあて取材しており、
裏方さんから見たプロレスの魅力と語る人生模様に読み応えのある連載です。
http://www.sportsclick.jp/magazine/pro_wrestling/new/index.html
今号登場したのは“DDTプロレス”の煽り映像を手掛ける今成夢人監督。
いつか取り上げられると信じてやっと登場しました。
昨年の長岡アジア映画祭で上映したドキュメンタリー「ガクセイプレスラー」の監督です。
肩書きで紹介されるように出身は長岡の方です。
語られる半生は小学生の時にプロレスにハマったものの、
ちょうどJリーグ発足時で周囲はサッカー熱が高まり、
サッカー部員がモテモテとなる時代に関わらずプロレスにこだわり続けて成長、
やがて学生プロレスと運命的な出会いをはたしながら大学時代には映像に目覚め
その時に観たミッキー・ローク主演の「レスラー」に号泣、
発奮してプロレスをテーマにと3万円の製作費テープ代で50時間撮影したものをまとめた
「ガクセイプロレスラー」が大好評となり海外でも評価される結果に。
しかし就職先のテレビ局の容赦ないパワハラに遭って心が病んで退職したところ、
プロレスとの縁で現在のDDTプロレスに辿りつく山あり谷ありの経緯が綴られています。
読んで過酷なのはテレビ局時代に受けた強烈なパワハラ。
御本人は映像を志望してたものの配属先はまさかの営業部、
しかもバリバリのタテ社会の体育会系で受けたシゴキの数々は可愛がりを超越したもので、
普通ならこれは誰でも逃げ出すよなぁと。
ちょうどこのころの今成監督に「第12回長岡インディーズムービーコンペティション」で
ガクセイプロレスラーが審査員特別賞を受賞したので電話でお伝えしたのですが、
心なしか鬱々としていたのはこのせいだったのかと思いました。
しかしプロレスに救われ現在のプロレス興行を盛り上げる大きな要素の煽り映像を
連日連夜徹夜で制作してる姿に大きなやりがいを感じてるようでした。
昨年の長岡アジア映画祭では「ガクセイプロレスラー」の上映と共に
今成監督舞台挨拶も組みましたが急遽DDTの興業が入ったためキャンセルに。
ビデオレターが送られ幼少期からの長岡の思い出を語ってたものの
見ていた一同はおそらく連日徹夜のさなかで撮影されたと思う
今成監督の目の焦点は合ってなく身体の心配をしておりました。
続いて「ガクセイプロレスラー」を上映し、こちらは修正版の上映を希望したものの、
届いたのは無修正の完全版、よって観た人は内緒にしていただきたいのですが、
リリックホールのスクリーンに映し出された時に
舞台裏でマズイなぁと思いながらも密かに快哉してました。
後で映画好きの新聞記者の方は「あれはヤバいんじゃないか」と笑いながら話され
本作を観た後に舞台挨拶に登壇した俳優・中泉英雄さんは
「凄い映画を観た」と開口一番興奮しながら話してました。
いろんな意味でインパクトを残した上映となりました。
余談ですが今成監督の前にDDTの映像を手掛けてたのは
こちらは新潟出身のマッスル坂井さん。
4月にシネ・ウインドで「サウダーヂ」公開初日に
富田克也監督、脚本の相澤虎之助さんの舞台挨拶があり、
ロビーにはプロレスラーを引退し新潟で金型工場を継いだマッスル坂井さんの姿が。
なんでも相澤さんとは自主映画時代の仲間なんだそうで意外な繋がりに驚いてました。
すでに両国国技館を満員にするパワーを持つDDTはまだ長岡で巡業を行っておらず、
いつか今成監督が煽り映像とともに凱旋してほしいと思いました。
そしてお母さんとのエピソードは読んでてホロり。ぜひ手に取ってください
今成夢人監督の活躍を祈念してます。
2012.06.21 | Trackback(1) | 長岡アジア映画祭
