チーム・ヤマコシックス
9月15日『第13回長岡アジア映画祭』
「かけはし」上映後、橋本信一監督、チーム・ヤマコシックス、浜口文幸先生舞台挨拶より。
*橋本信一監督
これはプロが作った映画ではありません。あとで紹介しますけども山古志の中学生あと小学生で作った映画です。ヤマコシックスというチームなんですけども6人の小学生6年と中学1年、3年生と6人で作った映画です。
雄大な山古志の自然が映ってたと思うんですけども、ヤマコシックスのメンバーを紹介する前になんでこういう映画が出来たか簡単に説明しますと、私は1998年から山古志に入って「掘るまいか 手掘り中山隧道の記録」って映画を1本作りました。
その上映をやりながらですね、そこで山古志の映画だったものですから、僕らの住んでる川崎の街に山古志の人が来てくれまして神楽南蛮とかいろんなものを持って「掘るまいか」の応援に来てくれました。そこから我々川崎市民と山古志の人達の交流が始まりました。
何度も上映する度に来てくれまして当時の長嶋村長も来てくれたり、いろんな方が来てくれました。
そんなことをやってる時にですね中越地震が来てしまいまして、僕らはずっと長いつきあいでしたから、非常に心を痛めましてっですね、何か応援したいということがありました。
それと並行しまして我々川崎しんゆり映画祭はずっと中学生に映画を作らせるというワークショップを9年やってきています。その中で山古志の子ども達を元気づけたいというか何かしたいということで、川崎でずっと中学生に映画を作って9年やってきたそのノウハウがあったものですから、じゃあ学校も出来てみんな村に戻ったということなんで映画作りを一緒にやってみないかということを声をかけました。
そしたらそれに応えてくれたのが後で紹介する6人の子ども達でした。
彼らが一緒に脚本から撮影、仕上げにいたるまで彼らと一緒に「かけはし」を制作をしまして、昨年の夏にですね一夏かけて出来た映画です。
山古志での上映はやったのですけど今日、この大きなホールでですね彼らにとっても初めての劇場での上映会ということで本当の意味でのお披露目だなっていうふうに思います。
そのヤマコシックスのメンバーとあと作品指導をしていただいた浜口文幸先生をご紹介したいと思います。
去年会った時よりもみんな大きくなったんですけども、我々大人は脇役でですね実際この映画を作った主役は撮影も脚本も演出も我々はちょっとサポートはしましたけども基本的に彼らが作った映画です。
作った人達から一言ずつ自己紹介と何をやったかと、あと簡単な感想などを喋ってもらいたいと思います。
*チーム・ヤマコシックス
「演出と撮影を担当した坂牧です。この映画を作って1年経ったのにまたこうして上映させていただいてとても嬉しく思います。この映画をきっかけに川崎の人とも仲良くなれましたのでとてもいい思い出になりました。」
「演出の星野です。この映画を作ってドラマとか映画を観る上でどういう撮影をするのか興味を持ったりとかするようになりました。とてもいい思い出になったなぁと思います。」
「橋沢役をやった斎藤です。この映画作りを通して川崎の人たちと交流したり、あと今日のようにいろういろな所で上映させてもらってとても嬉しく思います。ありがとうございました。」
「撮影と照明をやった斎藤です。映画どうやってできるのかよくわかったので勉強になりました。」
「栃倉役をやった五十嵐です。今回の夏は暑い日が続いて大変でしたがみんな一生懸命作ってきた映画なので本当に良かったです。今見るとちょっと恥ずかしいです。」
「マイクと選曲をした長島です。映画を観てこのマイクと映画に携わって本当に良かったです。」
*橋本信一監督
川崎でやってたジュニアワークショップもそうなのですけど、基本的になぜ映画なのかというとですね映画というのは具体を求められるわけですよね。
例えばなんとなくというのだと現場では進まないですね。つまり自分はこういう衣装を着せたいとか、こういうふうに人物を歩かせたいとか、一つ一つ具体を決めて指示しないと映画の現場っていうのは回っていかないんですね。
たぶん中学の生活の中で何かを進めていくのが授業と違った経験がですね、この映画作りでできるということと、あと映画は集団作業ですからみんな一つにならないと映画はできません。
そういった意味で今回「かけはし」は6人非常にそれぞれキャラクターはいろいろなんですが、本当にこの6人の個性が一つになって「かけはし」という映画が生まれたんだなぁと思います。
ですからしかも映画は残るということですね。この作品はずっと彼らが大人になってもですね残って、俺達が若い頃、私たちがこんな映画を作ったんだという形でですね、これが非常に映画ならではではないかなというふうに思います。
もちろん子どもだけで全部やれるわけではないので我々はサポート活動をしますけども、その中で今回、山古志に入ってですね一夏、本当に一夏一緒に過ごしてくれた浜口監督に一言どういうふうなワークショップだったかを語っていただきたいと思います。
*浜口文幸先生
逞しい6人でした。出来上がった映画はですね映画の形ということでいえば体裁よく整っているような形でそこにはもちろん我々のちょっと手助けというのがありますけども原作とかもともとのストーリーとかそういうものには実は一切手を出していなくてですね最初のうちはこういうふうにしたらいいんじゃないかと誘導して行って、その後は彼らがどんどん出て行ったということですね。
さっき橋本監督が言ってました具体ということですけども、なんとなくという感じで、怪我をする時に「どういう怪我をするの?」というとなんとなくなんて言ってたんですけど、それでは映画は進まないんでどこで撮るとかどのお母さん、お爺ちゃんを選んでくるというのを全部、まぁそういう意味ではまぁ決めなよという形で、それがこう段々面白くなってきて彼らの一夏、村の行事とかいっぱいあるんですけど面白がってくれたという感じでした。
そういう意味では我々も僕なんかも一夏いて彼らとですね非常に刺激的な一か月を過ごしたというような感じで、本当にですね我々大人というかプロというか、プロと中学生が一緒になってそうとは言いつつもこれは彼らがイニシアチブを取って作り上げた映画だと、そういう素性の映画であってこういう映画が市民映画というか民間の映画という意味でおいていえば、これは中学生が堂々と作った映画なんだというふうなレイアウトというかバランスの映画が今後はあってもいいんじゃないかと。
そんな意味も含めてこんなスタイルの映画が出来たというふうに理解していただければと思います。
どうもありがとうございました。
*橋本信一監督
この「かけはし」ですね。今日初めてこういう立派な大ホールでかけていただきました本当にありがとうございます。
この長岡アジア映画祭の方に本当にお礼を言いたいと思います。
引き続きですねこのテープありますんでぜひ「かけはし」をうちでかけたいとかぜひ上映したいという話がありましたらどんどん言っていただければ。
本当に一生懸命作った映画なのでいろんな所でかけてですね、いろんな人達にいろんな思いを持ってもらいたい映画です。
だからたぶん映画っていうのはお客さんが育てていくものですから作って終わりじゃないすね。
お客さんが観てもらって初めて映画として成長していくので、これからも「かけはし」を育てていくのはみなさんだと思うので、もっともっと大きくですねこの「かけはし」を育てていただきたいと思います。応援のほどよろしくお願いします。今日はどうもありがとうございました。
2008.12.23 | Trackback(0) | 長岡アジア映画祭
