「第11回長岡インディーズムービーコンペティション」予備審査通過作品と審査評

*「第11回長岡インディーズムービーコンペティション」で予備審査を通過しながらも、惜しくも受賞を逃した作品と審査評を掲載します。
○「ふたりだけの同窓会」 監督 下倉功
とりたてて、強い個性や新しさは感じなかったが、人をしっかり見つめて描いているところが、逆に新鮮で心打たれた。結婚式の写真まで撮る根性がすごい。
(井上)
始まりのシーンはちょっとエロチックな感じもしつつ、娘と父の二人の何かを期待させるものだったのですが、その二人を描く映画ではなかったのですね・・・。アパートの中のシーンを雨のシーンにしたのは、二人の男が抱えている過去の思いの湿っぽさが、より深まる感じがしていいなと思いました。二人の抱えているであろう重い歴史と比べて結婚式に出るという決断がそんなにたいした決断には感じられなかったのが残念。結婚式に出る出ないよりももっと大切なことがあるように思えて、結婚式にでたくないという気持ちの葛藤が伝わりにくかったです。 (東條)
情感ある作りはとてもよかった。セリフで気持ちを言ってしまっているので、観ている方は気持ちが入らないままドラマが進んでしまっている。間をつくったら面白くなると思う。タイトルの「同窓会」という言葉の重みをセリフでなくドラマでみせてほしい。「実の父親の義務だろ」というセリフのくだりはは、グッときた。それだけにそこに至るまでに映像で積み上げてほしかった。 (五藤)
恋と友情は映画における永遠のテーマ。なぜケイコは娘を生んだのか?なぜ主人公は育てることにしたのか?「ケイコの娘だ」だけではよく分からない。三人の過去になにがあったのか分からないのでカットウが薄い。なぜ玉子焼?(ケイコの得意料理?)
(中野)
○「キムチ納豆」 監督 辛一
NHKドラマのようにあまりにもストレートでひねりがなかった。でも、主人公の前向きな素直さに少し心ひかれた。 (井上)
主人公の女の子ハナは表情豊かで魅力的でした。また、食事のシーンが多く、見ていて食べたくなるほどおいしそうでした。韓国のシーンは見慣れない風景、見慣れない風習が見ることができてよかったです。ただ、韓国で描かれたシーンが日本に来たらそれほど重要なものでもないように思えてしまいました。韓国で撮影したシーンがもっと生きれば、主人公の気持ちの葛藤がより魅力的になったように思えました。わざわざ日本に来たハナの抱えているものが弱く感じて、キムチ納豆のシーンでもそんなに気持ちが盛り上がらなかったのは残念でした。 (東條)
オーソドックスな描き方に好感が持てる。納豆とキムチを混ぜるくだりが、ユーモラスでもあり、ジーンときた。ラスト、過剰に演出していない分ジワリと胸に迫る感じがしてよかった。 (五藤)
韓国に帰化した日本人の母が死んで、娘が日本に来て、母を勘当した祖母と和解する。寝言で母の名を呼ぶ。よく泣く。キムチと納豆を混ぜれば美味しく食べられる。ホントにそう?分かりやすく作り過ぎじゃないだろうか。 (中野)
○「mobile message」 監督 耳井啓明
心情にあわせたカメラワーク、分割画面の編集など表現力は豊かなんだけれど、テーマは浅い。 (井上)
死人の電話というアイデアはおもしろかったと思います。女の子が生き返ったときにはびっくりしました。どんでん返し、楽しめました。 (東條)
展開のアイデアは面白いのだが、展開ありきで登場人物たちを動かしている感じが強く、話に入り込めないのが残念。セリフ回しが、そんな掛け合いにならないどろうと感じる。セリフの掛け合いを自然にして、この展開に出来たら面白いと思う。映像は上手い。
(五藤)
お話をおもしろくみせていくが、夫が死んじゃうのが説得力がない。ちょっとコミカルにしているのが逆にマイナスでは? (中野)
○「少したのしい」 監督 清水雅人
画質がいいせいか、かえってコマーシャルっぽく軽く見えてしまう。カメラワークなど力技でこなしている感じもあった。ぽこ役の女の子の自然な演技が一番よかった。
(井上)
高校生の女の子の瑞々しさを丁寧に、ポップに描いていて面白かったです。女の子の変顔がチャーミングでした。駄菓子屋のおばあさんが彼女に取って重要な人なのでしょうが、それが彼女にとってどのように大切なのかがわからなかったです。
(東條)
少女たちの可愛らしさが出ていてよかった。風景やそれを収める構図が上手い。コメディに挑戦する勇気はすごいと思うが、観ている方が会話に置いていかれてしまうので途中気持ちが離れてしまい、残念。人を笑わせるのは難しいと、観ながら自分も痛感した。
(五藤)
目標のみえない女子高生とちょっと変わった幼なじみが街を歩き、いろんな人と出会う。ポップですんなり見られるが、主人公がちょっと弱いかも。(中野)
*ゲスト審査員
井上朗子 (にいがた映画塾代表、映像作家)
五藤 利弘(映画監督)
東條 政利(映画監督)
中野 太(脚本家)
2009.09.02 | Trackback(0) | 長岡アジア映画祭

