戦慄の打ち上げ
「なんであなたたちは映画を観ないの?
ごはんなんて食べなくていいから映画を観なさい」
21日の映画祭打ち上げ三次会の席。
橋本信一監督は自身が映画界に身を置く経緯をほろ酔いの中、話し始めました。
少年時代にフェリーニの「道」を観て感動し、映画への道を志し日本映画学校に入学。
当時は校長が今村昌平監督。
授業は邦画を佐藤忠男先生(!)
そしてなんと洋画が淀川長治先生(!!)
淀川先生の授業はあの語り口、そのままに映画のストーリーを語っていくうちに想いがあふれて感極まりいつしか淀川先生の目から涙が流れたそうで、その姿を見て授業はいつも感激していたと。
ある日、生徒の一人が生活費がままならないのでなかなか映画が観れない旨を淀川先生に話したところ、答えた先生の言葉が冒頭の言葉。
この言葉の後にやはり先生は涙を流したそうです。
人生が映画と共に貫いた淀川先生の言葉として深く納得、と同時に宴席にも拘らず背中がゾクリと戦慄を覚えました。
映画界入りを目指す生徒に淀川先生は諭したのだと思いますが、それくらいの覚悟はあるのかと淀川先生が橋本監督の口を通して今も問いかけて突きつけてるような戦慄を。
「ドキュメンタリーと劇映画も同じ映画であって区別するのは意味がないと思う。
僕も機会があれば劇映画を撮ってみたい」
しばらくは「1000年の山古志」とともに各地を上映でまわるため忙しいと思いますが、橋本監督がどんな“劇映画”を手掛けるのか、実現を期待したいです。
「1000年の山古志」は10月10日より東京・ポレポレ東中野、横浜・シネマ・ジャック&ベティ、川崎・川崎市アートセンターを皮切りに以後、全国各地で公開。
新潟市では10月23日~10月25日に「国際映像メディア専門学校」実習棟3Fにて「掘るまいか」とともに上映。
特に中越大震災から5周年の10月23日には橋本信一監督も駆けつけてトークを行うそうです。
問合せ 上映推進委員会事務局 TEL.025-233-6236(担当/市嶋)
http://1000yamakoshi.main.jp/index.html
当映画祭でも「1000年の山古志」を観たお客様から感動したと多くの感想をいただきました。。
それとともに上映後の橋本信一監督のトークは司会のFMながおかの佐野護さんとの絶妙な掛け合いも相まってこちらも大好評でした。
いづれトークの模様をこのブログに採録できたらと思います。
バーデンバーデンでの打ち上げでの橋本監督。
「1000年の山古志」のポスターの“1000”という文字は“雪”や“米”を視覚化したデザインと説明しているところです。
2009.09.29 | Trackback(0) | 長岡アジア映画祭
