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「作ってくれてありがとう」という言葉をかけて下さって、



小林:さて、あっという間に時が過ぎるのですけど、ここで会場の皆さんにご質問を受ける時間があるということなので、ご質問のある方、挙手をいただいてどうぞ。
そちらの白い洋装のご婦人よろしいですか。マイクが行きますので。

女性:あのう、先回初めて台湾へ一度、旅行へ行ってとても台湾に興味というか関心を持ったのですが、日本の国から戦争に引っ張られて日本はそれに対して補償とか遺族補償とかしてるのでしょうか?

酒井:してないです。していません。今回映画に出て下さっている蕭錦文さんは4年間ビルマの戦線で戦ったのですが、1銭も日本政府から補償出てないですね。それは他の人たちも全く同じです。1980年代に台湾の元日本兵の方が日本を相手取って訴訟を起こしました。日本人と同じような補償をして下さいって訴訟を起こしたのですけども、その判決というのは「もうすでにあなたたちは日本国籍でないので我々日本が補償する範疇ではありません」っていうことで退けたんですね。ただ戦時中に戦場で亡くなった方とそれからちょっとどの程度の怪我かわからないですけども、重症を負った方に対しては一律200万円という金額を80年代にお支払いしているということですね。蕭さんのように元気でたまたま元気で戻られた方に関しては何の補償もされていません。

小林:よろしいですか。はいじゃあそちらの方。
男性:ちょっと答えづらい質問かもしれませんけども、NHKのテレビで似たようなといっては失礼ですけども番組がありましたけども、あの捉え方と酒井監督の考え方はどんな情況で、、、

小林:NHKの番組は植民地のそういう立場でありましょうかね。

男性:映画というか番組の作り方としてですね。

酒井:はい。ご覧になってない方のために補足しますと、今年(2009年)の4月にNHKが『ジャパンデビュー』というシリーズの中で「アジアの“一等国”」という第一回目だったんですけれども、日本が植民地を初めて持った、それで列強に肩を並べるようになったていう、その当時を振り返りましょうという番組を作ったのですけれども、その番組は植民地当時功罪いろいろある中の罪、負の面に光を当てて作った番組だったと思います。その中で今回出て来て下さっているような日本語世代のおじいちゃん、おばあちゃんも出て来られるんですけども、それを見て私が一番最初に思ったのはこの番組を作ったディレクターは取材を受けて下さった人たちにきちんと番組、こういうものを作りましたっていう報告が出来るのかなっていう疑問を持ったんですね。
それはなぜかと言いますと、この世代というのは本当にいろんな大変な歴史を歩んで来られてるいわけなんですが、80歳を超えて昔の良かったことも悪かったことも、だから日本時代の良かったことも悪かったこともきちんとお話しして下さるんですね。NHKの取材に対してもおそらく皆さんそうだったと思うんです。日本時代の良かったこと、懐かしいことも、日本時代嫌だった、こんなことがあったっていう悪かったことも全部お話しになったと思うんです。そういう話の中で悪かったことを言ってる部分だけを抜き取って編集をしたであろう、というふうに私は受け取ったんです。だから本当に取材を受けて下さった人たちに対してきちんと誠意ある番組作りができているのかなっていう疑問を持ちました。

小林:最後の質問で一番後ろで手を挙げてらっしゃる方。なんかすみませんね。総理大臣就任記者会見みたいに、最後です!って、申し訳ありませんが。

男性:台湾でもこの映画は上映されたのか?ということと出演者はこれを見てどんな感想を持たれたのか聞かせてください。

酒井:昨年の春にこの映画が完成しまして、昨年の7月に出演して下さった方たち、それからご家族とお友たちをお招きして台北で上映会を開きました。一般の方にはまだ台湾ではご覧いただいてないのですけれど、皆さん仰ったのは、出演して下さった宋定國さんと蕭錦文さんと陳清香さん、のお三方だったんですけども、「作ってくれてありがとう」という言葉をかけて下さって、それで私は本当に日本の方々にこれで届けられるなという勇気をいただいたんです。
それと同時に、「日本の人にはもちろんなんだけども台湾の若い人たちにぜひ観せてほしい」ということを言われたんですね。それは日本でも世代間のギャップってすごくいろいろあると思うんですけども、台湾は歴史的な経緯も含めて日本以上に世代間のギャップが大きい国でして、この日本語世代の人たちっていうのは、自分たちのことを若い人たちに充分理解されていないっていう気持ちをお持ちなんですね。なのでこれから私に残されている課題は、台湾で台湾の若い人たちにこの映画を観ていただくことじゃないかっていうふうに思ってるんです。台北なんかでよくあるのはおじいちゃん、おばあちゃんは日本語か台湾語しか話せない、孫は北京語しか話せないということで共通の言語を同じ家族が持ってないっていうケースが結構あるんですね。それでおじいちゃん、おばあちゃんは戦後一生懸命北京語を自分なりに勉強をするんですけども、5割6割くらいしかわからないってことを仰っていて、そういう本当に日本ではちょっと考えられないようなコミュニケーションの行き渡らないってことがあることも事実です。

小林:はい。どうもいろいろ長い時間ありがとうございました。今日は恩師に対するいろいろな気持ち、宋さんのお話ありましたけども、私の高校時代の恩師も今日来てくれております。どうも先生ありがとうございました。

酒井:ありがとうございます。

小林:それからいつも映画作りを応援してくれているうちのお寺のご住職も来て下さりました。ありがとうございます。

酒井:どうもありがとうございます。

小林:それから「阿賀に生きる」を一緒に作りました旗野秀人さん、わざわざすみません。遠路、安田から、

酒井:ありがとうございます。

小林:今日は二回目を僕見せていただいたんですが、改めてこの映画の良さをもう一回再確認したような気がします。酒井監督にはこれが監督第一作だと聞いておりますけども、どうも三部作ぐらいにした方がいいんじゃないかというのが私の感想です。
それから今日の日程を申しあげますと、17時これから「シリアの花嫁」という大変これも優れた映画です。それから19時からは私がもう1回登場します。23,4歳ですかね、私が初めて映画の助監督として参加した作品を上映します。今からもう30年くらい前、恩師・柳澤寿男監督の地域福祉をテーマにした「そっちやない、こっちや」という映画です。愛知県知多市を舞台にした知的障がいのある人々の映画なんですけども、面白いのでお時間にある方はぜひ続けてご覧下さい。酒井監督は今日長岡にお泊りですのでロビーの方でお話しいただけることは可能でございます。この辺で失礼しますが、どうも皆様ありがとうごあいました。

酒井:ありがとうございました。

第14回長岡アジア映画祭 2009年9月17日
「台湾人生」上映後 酒井充子監督×小林茂監督対談

「台湾人生」公式HP http://www.taiwan-jinsei.com/

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2010.02.18 | Trackback(0) | 長岡アジア映画祭

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