volo 出雲にて4
大阪で「ひめゆり」を上映した方の報告で印象に残ったことに、
インターネット電話サービス“Skype”を駆使して、
「ひめゆり」上映後のスクリーンに沖縄の方をリアルタイムで映し、
沖縄=大阪で討論会を開いたという話でした。
ネットを活用すればもはや地図上の距離は消失していくことを感じました。
その大阪の方は自身が編集をしている雑誌「volo ウォロ」を持参してきました。
一般の書店では入手できないそうですが、
市民活動について独自に掘り下げていく硬派な雑誌のようです。
バックナンバーを見ると表紙インタビューに柴田昌平監督はもちろん、
伊勢真一監督、森達也監督、綿井健陽監督と気鋭のドキュメンタリー映像作家が並ぶ中、
一際目を引いたのが東志津が表紙の号でした。
第13回の映画祭で「花の夢 -ある中国残留婦人-」の上映と共にお話し下さった
東監督は現在、パリへ映画の勉強のために留学をしています。
「花の夢」は沖縄戦火をくぐり抜けた複数の学徒隊の証言を重ねた「ひめゆり」と異なり、
一人の老婦人に焦点を絞り、満州での戦中戦後の記憶に向かい合った記録映画です。
東京で平穏な日々を過ごすおばあちゃんが実は満州という、
日本の近代史で大きな意味を持つ地で大戦を生き延びた“中国残留婦人”であることに驚き、
また歴史をよく知らなかった自分を恥じ取材と撮影を重ねた真摯な作品でした。
こちらも恥ずかしいことに報道でよく目にした“中国残留孤児”とは違う、
“中国残留婦人”については本作を観るまで知りませんでした。
映画祭にお越しいただいた東監督の真面目な姿に実行委員一同、好感を抱いたので、
「volo」の方の許可をいただき特別に東監督の表紙号を頂いて事務所に持ち帰りました。
表紙は長岡に来た時と同じく化粧っ気がないのもらしいなと思いましたが、
東監督がパリ留学を経てどんな題材に挑むのか期待したいです。
ところで「花の夢」のナレーションを担当した方が「ディア・ドクター」に出演しています。
その方は、、、、
「花の夢 -ある中国残留婦人-」
公式HP http://www2.odn.ne.jp/ise-film/works/hananoyume/hana1.htm
2010.03.11 | Trackback(0) | 当会の活動報告
